番犬男子





目が合って、首を傾げる。



「なんですか?」


「まだあんたの名前聞いてなかったよな?」



あたしの名前?


聞かれてはいないけど、聞く必要もないよね?



「なんでですか?」


「いや、一応聞いておこうと思ってさ」




ピクリ、と耳が反応する。


「一応……ですか」




なんの変哲もないその言葉に、引っかかりを感じた。




あぁ、だんだんわかってきた。


さっきから第六感がざわついてる意味が。




おそらく、この2人は――。