目を覚ませば、雪と同じ真っ白な天井が最初に見えた。


ここ、どこだ?



視線で見渡す。


窓の外に広がる、茜色の空。

もう夕方なんだ。


俺が今寝そべっている、白で統一された個室に備えてあるたった1つのベッドの脇には、看護師らしき女性がいた。



『あ、起きたのね』


『えっと、あの……ここはどこですか?』


『ここは病院よ』



病院、か。

この女の人は、やはり看護師なのだろう。



俺は起き上がろうとしたが、ギプスにくるまれた右腕は三角巾で固定されていて、うまく起き上がれなかった。


額にも何か違和感がある。



看護師さんに手伝ってもらって上半身を起こすと、看護師さんが優しく質問した。




『自分の名前、わかる?』


『は、はい。風都誠一郎、です』


『じゃあ、誠一郎くん、何があったのか覚えてる?』


『雪山で雪崩に遭って、それで……』


『そう。それで、ペンション近くで倒れた誠一郎くんと妹さんを救助したの』