番犬男子





関係のない彼らに理由を話しても、意味ないはずなのに。


どうして、そんなことを質問してくるんだろう。



あたしのことを、怪しんでる……?




ざわつきが拡がっていく。

このざわつきは、何?


何を教えようとしてるの?




あたしは違和感に似た何かを感じながらも、金髪の男子を真っ直ぐ見据えて答える。



「そこに、会いたい人がいるんです」



真剣に答えなきゃ、“彼”に会えない気がした。




男子2人が顔を見合わせる。



「どうします?」


「うーん……まっ、案内してやってもいいんじゃねぇの?」


「いいんですか?」


「嘘ついてるように見えねぇし」



コソコソ喋ってる割には、全然隠しきれてない。


丸聞こえですよ、お2人さん。