見出しは、『おてがら高校生!』。


記事にはこう記されている。




『先日、美術館にて期間限定で展示された、新選組が使っていたとされる刀が盗まれた。

刀を持って逃げた犯人を捕まえたのは、偶然通りかかった高校1年生男子。

少年の勇気と名誉をたたえ、後日、警視庁で表彰された』




何度も読み返し、ニヤニヤする。



“彼”はすごいな。


世界中の人に自慢したいくらい。






記事には書かれていないが、あたしが独自で調査したところ、どうやら“彼”は暴走族に所属しているらしい。




暴走族の名前は、双雷【ソウライ】。



新聞記事の影響によりたちまち有名になり、関東を中心に勢力を伸ばしつつある、今最も「最強」に近しい暴走族のひとつ。


裏の世界で重要・危険視されている、実力派暴走族。




そして、“彼”こそが、


双雷の7代目総長なのだ。