あっさり命じたお兄ちゃんに、あっさりみんなは従った。
大勢出ていった室内は、あっという間に幹部以上とあたしのみとなってしまった。
恥ずかしいって本音もちょっとはあったけど、結局はただの言い訳なのに、そんな簡単に出て行っちゃうの!?
そこはお兄ちゃんも下っ端も、引き下がってよ!
あたし自身に手当てさせてよ!
「こいつらならよく一緒にいるし、いいだろ」
よくない。
ちっともよくないよ、お兄ちゃん。
なんでお兄ちゃんと向き合って話せている最高な時間に、こんな無念な気持ちにならないといけないの。
きっと、みんなはあたしの傷の具合を案じてくれてて。
お兄ちゃんは、自分のせいであたしが怪我をしたから、責任持って手当てしてあげようとしてるんだろうな。
責任なんか感じなくていいよ。
あたしがそう言ったって、お兄ちゃんから罪悪感を取り除けはしないんでしょ?



