懸念したみんなが続々と看護室に入ってくる。
お兄ちゃんは看護室にある回転椅子に、あたしを座らせた。
お兄ちゃんも自分の椅子を用意し、あたしと向かい合う形で腰掛けた。
もっとお姫さま抱っこされていたかったなぁ。
「千果、背中見せろ」
「えっ、せ、背中?」
「ああ」
「なんで」
「なんでって、手当てするからに決まってんだろ。ほらさっさとソレ取れ」
肩に羽織っている雪乃のカーディガンを指される。
で、ですよねー。
手当てしかありませんよねー。
「じ、自分で手当てできるからいいよ!」
「背中を、自分で?」
「…………う、うん」
「できたとしても、ここはチカちゃんが大好きなお兄さまに任せたらいいんじゃないかしら」
雪乃の意見に、お兄ちゃんは無言で同意を示唆した。



