番犬男子





ライターに続いて、ナイフ。

危ない物ばかり出てくる。



不良やヤクザが棲む裏の世界では、世間一般の常識もルールも関係無いのかもしれない。



なんでもありで、命を懸けて争う。


それが、裏の世界の当たり前なのかもしれない。



反則とか卑怯とか飛び交っても、「だから何」と平気な顔して返される。


裏の世界の住人に、綺麗ごとは通用しない。




そう、わかっていても、あたしは否定することをやめたりできない。


彼らが犯罪行為を恐れずにライターやナイフを手にするのなら、あたしもあたしの“正解”のために抗い続ける。




あたしの“正解”は、いつだって同じ。


お兄ちゃんが傷つかないこと。