不良集団もあたしを追いかけて、繁華街にやってきた。
逃げ足だけは速い強盗犯が率いているんだ。
このまま無我夢中に逃げていても、捕まるのは時間の問題だ。
ただひたすらに無我夢中なら、ね。
「あたしが一直線に、双雷に助けを求めに行くとでも?」
手分けしてあたしを必死に探している不良集団を横目に眺めつつ、ボソッと独り言を吐く。
今たまり場に駆け込んでも、留守番組しか待機しておらず、お兄ちゃんも多くの双雷メンバーもパトロールに専念している。
繁華街をグルグル回って、パトロール中の双雷メンバーと遭遇するのは、よっぽど幸運でなければ難しいだろう。
ここは、堅実的に考えて……連絡、だよね。
真っ直ぐ西側方面へ繁華街を駆けて行く不良集団とは反対に、あたしは女子高生の群れに浸透しながら道の脇に逸れる。
一直線に行かずに、アメリカにもある全世界で有名なファーストフード店に寄った。



