番犬男子






顔面偏差値の高い双雷幹部である稜のせいで、良くも悪くも過剰に注目を浴びた繁華街を過ぎた。


少し歩いて、細い路地に入り近道をたどる。



昼前の空は朝より澄んでいて、地面を陰させるあたしと稜の影は若干濃い。




あたしの前を歩いていた稜が、路地の先の路地裏に出る寸前で、片腕を上げた。


ストップ、止まれ。

そう告げるように。



何かあるのか、と目で尋ねれば、稜は顎で路地裏を示した。


背伸びをして、稜の肩の上から路地裏を見る。


そこには、不良が2人いた。



そういえば、この路地裏にはよく不良がいる、って稜が心配してくれたこともあったっけ。




「最近、魁皇の下っ端のやつらの噂しか聞かねぇよな」


「つまんねー」



あれ?

あの2人、夏休みに番犬の噂をしてた人たちだ。


こんなところでも噂の話をしてるの?