番犬男子








そして、あたしと稜は渋々洋館を出て、茶葉を買いに行った。




幸汰の情報によれば、繁華街に幸汰おすすめの茶葉専門店があるらしい。


お金はお兄ちゃんから預かった。



もしかして、あの茶葉全部、お兄ちゃんの自腹?




「……誠一郎じゃなくて悪かったな」



洋館を離れてすぐ。


急に稜があたしを横目に謝ってきて、びっくりした。



「別にいいよ、じゃんけんなんだから仕方ないし」



運がなかっただけ。

稜のせいじゃない。


負けたのがお兄ちゃんじゃなくてしょぼくれたのは本当だけどさ。



「あ、でも、お兄ちゃんじゃなくなった時点で、これはデートじゃないから!ただの買い出しだから!」



そこははっきりしておかないとね。


すると、稜の右目が訝しそうに細められた。



「お前ってよくわかんね」


「はい?」



わかんないって、どこが?