番犬男子






「今日は番茶やめ……」


「いや、番茶にすべきだよ!」


「え?」



あたしは前のめり気味に主張した。



番茶をやめるとか、断固拒否。


そのストック分を使うに1票。




「な、なんで?」


「残り少ないならいっそ使い切って、あとで一気に買い足したほうが楽じゃん」



番茶にはこだわってない。


だけど、ここで使ったほうがメリットが大きい。

主にあたしの。



効率面は、あくまで建前。


本音は、お兄ちゃんと一緒に番茶を買いに行くのを口実に、繁華街で兄妹デートできるから!



2人でデートできる念願のチャンスを、みすみす逃してたまるか。