番犬男子






「双雷のみんながあんたたちに直接、あたしのことを『迷惑だ』って言ってたの?」


「そ、それは……っ」



言ってないんでしょ?


あんたたちが思い込んでるだけ。



確かに以前お兄ちゃんには言われたことがある。


だけど、それは初日だったし、最近は言われてない。




それにね。



「仮に直接言っていたとして、どうしてあんたたちに咎められなくちゃいけないの?」


「私たちは双雷のみなさまに変な虫がつかないように、こうして陰ながら守って……」



「だから、どうして?」



きつめにもう一度聞けば、答えていた女子高生がビクッと肩を震わせた。



どうして、あんたたちが動かなければならないの?

双雷のファンだから?


ファンなら、双雷の意思にかかわらず、気に入らない女子を牽制することが許されるの?



……いいえ、許されない。




「この中に双雷の誰かの彼女がいたり、双雷に命じられたりでもしない限り、あんたたちにあたしを咎める資格はないよ」



勘違いを信じてる盲目なあんたたちなんかに、双雷のみんなのことをわかってる風に言ってほしくない。


まずは、真実を知ろうとしてよね。