番犬男子





女子高生たちは「やっとか」と薄く笑った。


だが。



「無理」


「……へ?」


「あたし、急いでるから」



あんたたちは何を期待していたの?



あたしは断りを入れるために足を止めただけ。


リンチはあきらめて。



唖然とする女子高生の集団を横目に、あたしは再び歩き出した。



「待ちなさいよっ!」



すれ違う際、1人の女子高生が咄嗟にあたしの腕を掴んだ。


あたしは嫌々ながら立ち止まる。



きっぱり断ったのに、何?