満足している理由は、他にもある。
雪乃が口調を使い分けてる理由を知った次の日から、昼休みは雪乃と過ごすことが日課となったからだ。
普段は、生徒は立ち入り禁止と定められている屋上を、優秀な雪乃のお願いということで、西篠先生が特別に解放を許してくれたのだ。
「“いい人”でいると、メリットも多いのよね」
雪乃が屋上の鍵片手に、こっそりほくそ笑んでいたっけ。
もしかして、それも偽り続けてる理由の1つだったの?
雪乃を敵に回したら大変そう。
あたしと雪乃は広い屋上を2人で貸し切り、お喋りしながらランチして、昼休みを満喫している。
これが結構くつろげて、あたしも雪乃もすぐ屋上を気に入った。
2人しかいないから、雪乃は女口調でいられるし、あたしも気を張らずにいられる。
うん、やっぱり屋上は最高。



