強盗犯のとぼけた声と重なる、
ウーー!!、と鳴り響きながらだんだんこちらに近づいてくるパトカーのサイレン。
「っ!」
強盗犯が無意識にコンビニの外に顔を向けた。
さっきから聞こえてたよ?
もしかして、あたしを脅すのに必死で、聴覚おかしくなっちゃった?
「な、なんで、警察がもう……!?」
あたしが早々に呼んだの。
とは、教えてあげない。
動揺が広がり、隙だらけ。
そんな強盗犯の膝の裏を蹴り、膝カックンして体勢を崩すのは、ケンカのできないあたしにだってできる。
前方に倒れた拍子に、ナイフが再び落とされる。
ハッとして慌てて手を伸ばした強盗犯より早く、ナイフを軽く蹴り、遠くのほうに滑らせた。



