形勢逆転ねぇ。
どこが?
あたしはあくびをひとつこぼす。
理由その2を言うタイミング、逃しちゃったな。
いつ言おうか。
「余裕そうにしてていいのかよ。コレは、本物だぜ?」
「コレ“は”って……さっきのが偽物だってようやく認める気になったの?」
あたしの大胆不敵な態度は、変わらない。
自分で墓穴掘ってどうすんの。
強盗犯は顔を引きつらせながら、ハッとあたしを嘲笑った。
「お前、他人を助けようと正義のヒーロー気取ってんの?ははっ、うっざ」
は?
なに言ってるの、こいつ。
黙るあたしを、強盗犯はさらに侮辱する。
「やっぱ図星か!だっせー」



