強盗犯が炭酸に目をやられてる間に、買う予定の商品をレジ横に置いた。
もちろん、炭酸ジュースもきちんと購入する。
買う前に開けちゃったけど、緊急事態だし、仕方ないよね。
強盗犯の赤くなった目が、次第に見えるようになってきたのを見計らい、また手で「2」を表した。
「てめぇ、よくも……!」
「理由その2」
怒鳴られても、動じない。
元々は、強盗なんかしたあんたが悪い。
すると、強盗犯はたまたま足元に転がっていた折りたたみ式ナイフに気づき、すぐさま拾った。
折りたたんである刃を出し、鋭い刃先であたしを捉える。
「形勢逆転、だな」
他の客たちが、ざわつき出す。



