番犬男子





雪乃が可愛い物を好きな気持ちを同じくらい、あたしもお兄ちゃんが大大大好き。



あたしのエネルギーである、この大切な気持ちを隠すのはもったいない。


伝えられるなら、伝えなくちゃ。



会えなくなってしまう前に。




「そうね。チカちゃんの言う通り、すごく素敵なことだわ」


「でしょ?」



目尻にたまった涙を拭う雪乃と、視線が絡む。



「チカちゃんに話してよかったわ」



雪乃は、柔らかな表情に笑みを浮かべた。


まだ恐怖は残っているけれど、迷いはない。



「ありがとう」




ありがとう、なんて。


感謝されるほどのことをしたつもりはないよ。


あたしはただ、雪乃の話を聞いただけ。


それだけなんだから。