「チカちゃんはわかりやすいわねぇ」
ついキョトンとする。
わかりやすい?
「コウちゃんのことがあんまり好きじゃない、苦手だ、って顔に書いてあるわよ?」
「え!?」
嘘っ!
咄嗟に両手で顔を覆ったら、2人に失笑された。
しかも、張本人の幸汰まで、部屋の角でお茶を淹れながら背中越しに会話を聞いていたみたいで、肩を震わせて笑いをこらえていた。
そこまで笑わなくたっていいじゃんか。
こうなったら、ポーカーフェイスを極めて真顔になろう。
実際に実行してみたら、笑いはさらにエスカレートしてしまった。
あの、ちょっと、笑いすぎじゃありません?
「あーもうっ!そんなからかうなら、聞いちゃうよ?いいの!?」
「ふふっ、何を?」
「雪乃が昼休みに言ったことの意味を!」
雪乃は意表を突かれた様子で、笑うのをやめた。
続けて、稜と幸汰も静かになる。



