やっぱり、苦手だ。
あいつのことが。
日に日に、苦手意識が膨らんでいく。
『ガオッ!!』
『総長を……双雷を壊そうとしたら、お前も容赦しねぇよ?』
番犬としてあたしを脅したくせに、その日の帰り道以降は気弱な態度に戻って普通に会話して。
あたしが双雷と関わるのを認めてないくせに、こうやって無為にもてなして。
それに!
あたしより、お兄ちゃんと親しくて。
全てにおいて幸汰に負けてる気がして、面白くない。
嫌い、とまではいかないけど、どうも苦手だ。
「あらあら」
雪乃が微笑ましそうに呟いた。
家庭用ゲーム機で遊んでいる稜まで、クツクツ、喉を鳴らしてる。
2人してどうしたの?



