番犬男子





店員も他の客も、強盗犯でさえ、あたしの物怖じしない態度に驚いていた。



さっきの男子2人とは違い、強盗犯は親切に退いてはくれない。


まあ、そりゃそうだよね。



「ちょっとあんた、聞いてる?邪魔だって言ってんの。どいて」


「なっ……!?」



もう一回言ってあげたら、やっと反応が返ってきた。



「お前、バカじゃねぇの?」


強盗犯が鼻で笑いながら、銃口をあたしのほうに構えた。



バカ?

あたしが?


初めてそう罵られて、思わず爆笑してしまった。



「なに笑ってんだ、こいつ。イカれたか?」



笑いすぎて、強盗犯に心配されてしまった。