ここら辺で、双雷を知らない人はいなさそうだもんね。
「情報面では徹底管理してるけど、ここは双雷の縄張りだから。幹部以上、特に総長は有名だね」
媒体を通した情報と地元の人の声とでは、大きく違う。
双雷をよく知るには、情報だけでは不十分。
地元の人の声も聞いてこそ、理解度は高まる。
現に、双雷に対する反応が、女子と不良とであんなに異なることは、情報ではわからなかった。
不良の噂で聞いた、番犬の存在も。
「他に聞きたいことはある?」
「あ、じゃあ、もう1つ」
お言葉に甘えて付け加えると、幸汰は「なに?」と頭をこてんと傾げた。
「魁皇について教えてくれない?」
これは、今更かもしれないけど、一応頭に入れておこうかと思って。



