番犬男子





お兄ちゃん、今、なんて言った?



あたしが幸汰に、同行?

なんで?


する必要なくない?




「お前はあいつらの顔をはっきり覚えてるし、あいつらの行動を読むこともできるだろ?それを活かして、幸汰をサポートしてくれ」



あたしの顔に全て表れていたのか、お兄ちゃんが淡々と説明した。



お兄ちゃんが天才なあたしを見込んで、あたしを頼ってくれていることはわかる。


それに関しては、すごくすごく感激で、感動してる。


お兄ちゃんに頼られて、嬉しくないわけがない。



だけど。



「あの2人は誰かにバレないようにコソコソ隠れてるんでしょ?だったら、あたしを同行させるより、幸汰1人のほうが行動しやすいんじゃないの?」



……というのは建前で。



本当は、ここを出て、お兄ちゃんとの時間を削りたくないのが本音。


絶対同行させる気なら、お兄ちゃんと一緒がいい。



あたしはお兄ちゃんのそばにいたいの!