番犬男子






脳内に浮かんだ策略に従って、自分用に選んだアイスティーを、炭酸ジュースに変えた。


炭酸ジュースを思い切り振りながら、雑誌が置かれている窓側を堂々と歩いて、レジに向かっていく。



しかし、



「おい、あいつがこれ以上暴れないうちに、あいつを捕まえるぞ」


「はい!」



金髪の男子と茶髪の男子が狭い通路につっ立っていて、あたしを阻む。



この2人って、あたしの少し前にコンビニに入っていった、さっきの男子たちじゃん。



何やらコソコソ作戦立ててるみたいだけど、今から考え出した2人と違って、あたしはもう準備は完璧に整っている。


一足遅かったね、男子2人。




「あの、どいてくれませんか?」


「あっ、す、すみません」



あたしに気づいた男子2人が、そそくさと道を開けてくれた。


が、すぐに金髪の男子が「ん?」と眉を寄せる。



「……って、え、ちょっ、ちょっと待てよ!今そっち行ったら危ねぇぞ!」