番犬男子






人質が逃げてる。


そう2人が気づくまで、数秒かかった。



あたしにとって、その数秒は計算どおりであり、距離を取るのに必要な時間だった。





ハッとした強盗犯が、バイク男より先にあたしを追いかけてきた。



が、もう遅い。



あたしはすでにシャッター前まで来ていた。


身をかがめてシャッターをくぐると、思い切り体重をかけて、ガシャンッ!!、とシャッターを強く閉めた。




これで多少は時間を稼げるはずだ。


第一関門突破、と言ったところか。



ホッとしながら周囲を見渡せば、いくつもの倉庫が一列に連なっていた。



東側にある倉庫は、同じサイズの倉庫が並列している西側とは異なり、西側の倉庫の約2倍以上の大きなサイズの倉庫が1つどーんと建っている。



つまり、ここは西側。


あたしの憶測は正しかったらしい。