番犬男子





コンビニにいた全員が、声のしたレジのほうに振り返った。


レジ前には、あたしと年齢が近そうな、全身黒い服の男子が一人立っていた。




全身黒の男子は、レジにいた女性の店員に、手にしていた拳銃を向ける。



「金出せ、金!」



拳銃を目の当たりにした店員と客が、目を丸くして、甲高い悲鳴を上げた。



「そのレジに入ってる金、全部だ!」


「そ、それは……っ」


「早くしろ!!」



全身黒の男子が黒いカバンを出し、店員を急かせた。



店員は泣きそうになりながら、レジの前で硬直している。


このような経験は初めてで、どうすればいいのか対処法がわからず、怯えているのだろう。




コンビニ内は、ざわざわと騒がしくなっていった。



「あれって、ご、強盗?」


「嘘……。や、やばくない?」


「ママー、怖いよぉ!うわーん!!」