番犬男子





双雷のメンバーが全員、殺気立ったのを感じた。



昨日も鋭い眼差しを送っていたやつが、昨日よりも鋭くさせて、あたしを貫いている。


容赦なく突き刺さって、痛い。




けど、あたしは笑みを深めた。




この程度?

ううん、違う。


あたしのお兄ちゃんが属してるんだもん。


かいかぶりなわけがない。



あたしに天才的頭脳があるように、お兄ちゃんにはお兄ちゃんの“強み”がある。


あたしが妹かどうか確かめることくらい、楽勝なはずでしょ?





「ていうか、どうしてそこまで疑うんですか?」



そもそも、だ。



お兄ちゃんと苗字が同じなのに、怪しみすぎじゃない?


苗字が違う兄妹もいるけどさ、ちょっとくらい信じてくれてもいいじゃん。