わがままな妹だよね。
自分でもわかってる。
それでも、これがあたしだから。
本当のあたしを、受け止めて。
「そろそろ止まってよ!」
「お前が止まればいいだろ?」
「お兄ちゃんが止まってくれなきゃ意味ないよ!」
だんだん疲れてきて、呼吸が乱れ始めた。
額に汗がにじむ。
お兄ちゃんはまだまだ余裕そう。
お兄ちゃん、体力ありすぎ。
「ていうか、お兄ちゃん、いいの?」
重くなってきた足を引きずるように走り続けながら、お兄ちゃんに問いかける。
「このまま走ってたら、家に戻っちゃうよ?」
そう、ぐるぐる追いかけっこをしていたら、いつの間にか同じ道をたどっていたのだ。



