「っ………ヘレン、また来る。」 最後にそう私に告げ、部屋をあとにした王子。 なんだかとても、久しぶりに会った気がする。 「ヘレン、昨日お前が踊り場で見た王子とリア王女のことだが。」 「……うん。」 聞きたくなかった。 でも聞きたくないと抵抗する気力も残っていない。 聞きたくないと拒む事は違う気もする。 「王子の……勘違いだったそうだ。」