「随分と難しい本を読んでいるね。」 「……お紅茶で構いませんか。」 「あぁ、ありがとう。頼むよ。」 ふわりといつものように穏やかな笑顔を見せる陛下。 小さくため息をついて紅茶を淹れるべくティーセットを用意する。 いつもの様にお湯を沸かし、 少し離れたところにある角砂糖やスプーンを取り出す。 ……それが、いけなかったのかもしれない。 「君の魔法は本当に凄いね。いつもそうやってガイにも紅茶を淹れるのかい?」