「もうすぐ休憩も終わる。ヘレン、最後にもう一度だけ、抱きしめてもいいか?」



「嫌だといってもそうするくせに。」



「否定はしないでおこう。」



さっきよりも力強く抱きしめられる。



まだ背中に腕を回すような勇気はないから、



王子の服を軽く掴むぐらいにとどめる。



それに気づいたのか、王子が小さく笑った。



「本当に、可愛いやつ。」



最後にそう私にとどめをさして爽風と部屋を出ていった王子。



また、また、彼にどんどん落ちていく。