リボンと王子様

どれくらいそうしていただろう。


私達は黙ってお互いの指を絡めあって歩き出した。

伝わる温もりと感触が何よりも愛しい。


「……あの時、本当に妖精が舞い降りてきたのかと思った」


甘い優しさを瞳に宿しながら千歳さんがぽつりと言った。


「……妖精じゃなくてよかった」

「……どうして?」

「お嫁さんに貰えないかもしれないから」


私の耳が、頬が、ブワッと真っ赤に染まる。


「わ、私も王子様がいるのかと思ったよ……」


熱をもった真っ赤な顔を誤魔化すように俯く。


「俺は穂花だけの王子様でいられればそれでいいんだよ」


サラッと甘い声で私を翻弄する。


「……まずはお互いの両親と須崎社長に連絡しようか。
きっとやきもきしてるから。
それから、婚約指輪買いに行こう」


蕩けそうな甘い瞳で幸せに泣き出しそうな私を見つめて。

彼は二つのリボンにキスをした。


「……どうして水色なの?」

「サムシングブルー、だよ」



幸せがおとずれますように。









Fin.