リボンと王子様

「千歳さんの気持ちが済むように、なんてそんなこと思ったことない!」


声を荒げて否定する私。


……そんな風に思われていたなんて……。


悲しくて眦に涙が滲んだ。


胸がキリキリと痛む。

私の気持ちが届かなかった……?


「わかってる、違うんだ。
俺が自信がなかったんだ……」


ポスンと私の右肩に再び頭を乗せて。

千歳さんは項垂れた。


「……穂花、俺に好きって言ってくれたこと、なかっただろ?」


そのままの位置でポツリと千歳さんが言った。


「女々しいかもしれないけど……俺だけが好きなんじゃないかってずっと不安だった……俺が強引に迫ったから、穂花は断りきれなくて仕方なく付き合ったんじゃないかって……」


愕然とした。

消えいりそうな弱い声。


ああ、私、千歳さんをこんなにも不安にさせてしまったんだ。

誰よりも愛情深いこの人を……。


「……ごめんなさい。
違うの。
言えなかったの……言う資格がないって思ってたから……。
私、嘘を隠さなきゃって自分のことしか考えていなくて……」


うまく話せない私を千歳さんが優しい瞳で見つめる。

そっと私の頬に触れる。


私は謝ってばかりだ。

謝ることしかできていない。


きちんと大切なことを伝えれていなかったのは誰よりも私だったのに。