リボンと王子様

「……ごめんなさい。
私、結局自分のことしか考えていなくて。

有子おばさまに頼まれたから、とか、お手伝いさんだから、とか公恵叔母さんの立場が、とか……偉そうに皆のことを考えているみたいな言い方ばかりをして。
結局……自分への言い訳ばっかりだったの。

一番大切な千歳さんを傷付けてしまったのに。
千歳さんの真っ直ぐな気持ちを裏切ってしまって……嫌われて、顔も見たくないって思われて当然なの。

私……誰に一番誠実でいたいかを見失っていた」


そう。


他の誰に何を言われても。

私が一緒にいたかった人。


大好きな人。

守りたかった人。

それは千歳さんだけだった。


気持ちを押し付けて困らせるつもりはない。

私からの告白なんて今の千歳さんには迷惑なだけだろうから。


「……ごめんなさい……」


そう言って頭を下げた。

有子おばさまが、公恵叔母さんが千歳さんが最後にくれたプレゼント。


千歳さんと二人で会える時間。

それだけで充分だ。


大好きな人に気持ちを伝えられたのだから。

私の気持ちが届かなくても。

大丈夫、今は無理でも、いつかきっと。

この気持ちを思い出にしてみせる。