リボンと王子様

翌朝、早い時間に目が覚めた。

カーテンの隙間から明るい朝の光が射し込む。

シャッとカーテンを開けると真っ青な空が目の前に広がった。


……真向かいの部屋で。

千歳さんは今、何を思っているのだろうか。

昨夜は帰宅したのだろうか。


そんなことを習慣のように考えてしまう。

ひとつ溜め息を吐いて。


いつも通り身支度を始めた。

千歳さんに初めて屋上庭園で出会った時と同じ長さになった髪を無造作にブラシですいた。

あの日は瀬良さんにウィッグをつけてもらっていた。

前髪はあの日とは違うけれど。


展覧会、と聞いていたので薄いベージュのスーツを選んだ。

中に着るカットソーはフリル付きの、顔回りの印象が優しくなるものにした。

鏡で全身を確認して、私は家を出た。