さっそく首に巻いた葵くんは、コクコクと頷いてくれた。
鼻先まで埋めていて、可愛いなぁ、なんて。
「じゃあ、行こっか」
「待って」
私の手首を掴んで、引き止めた葵くんに首を傾げる。
「これは俺からの」
「え」
右の手首に付けられていたのは、
キラキラ光るシルバーのブレスレットで。
小さなお花がついていて、とっても可愛い……。
バッと葵くんを見る。
い、いいの?
「これ、もらっちゃっていいの?」
「はぁ?当たり前じゃん。もらってよ」
その言葉を聞いて、パァァッと顔を輝かせる。
「ありがとう、葵くん!」
にっこりと笑うと、なぜかため息をつかれた。
はぁ、って。