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葵くんは人気者だから。


片想いしている子達なんてたくさんいる。

そんな子達は、みんな葵くんの恋愛情報に敏感で。



だから、私と葵くんが別れたっていうこともあっという間に広まった。




「三河、今日も女子に囲まれてんね」

「そうだね……」




前と同じ作り笑顔を浮かべている葵くんに、少し切なくなる。


私の席から葵くんを一緒に見ていた陽菜ちゃんは、急に顔を覗き込んできた。





「で、相談したいことって?」

「あ、えっと……」





どうしよう、いざ言おうとするとちょっと恥ずかしいな……。


チラッと隣の席を見た。



大野くんは、まだ学校に来ていない。

次の時間で今日の授業は全部終わり。