ーー夕方
昼飯の後もひまわり畑を堪能し、俺たちは駅に向かっていた。
千星「♪~~♪♪」
千星は、鼻歌を歌っている。
昼から俺の頭には、どうしてーーが消えてくれない。
廉「なぁ、千星。」
千星「ん?」
廉「……お前は、怖くないのか?」
千星「……怖いよ、鬼と闘うことは。
でもね、私が闘わなきゃどうせ死ぬんだよ。」
その言葉は、重かった。
千星「私には夢があるの!」
廉「夢?」
千星「うん、写真家になるっていう夢。
それを叶えるためにも、生きなきゃいけないんだよ。」
廉「でも、八岐大蛇と闘えば……「死ぬかもしれないでしょ?」
千星「わかってるよ、だから、怖いんだよ。
でも、かもしれないなんだよね?
私が闘わないことと闘うこと。
どっちが生きる可能性があるのかな?」
あぁ、そうか。
千星は、生きるために闘うんだな。
廉「……闘うこと、だな。ごめん、変なこと聞いて。」
千星「ううん。」
千星が命をかけてこの世界を救うっていうなら、俺は命をかけて千星を護るから。



