…という思いで、あたしはカメラを撮っていた人影を追いかけていた。



夕霧島の山々を駆け回っていたあたしは、足腰には自信があった。


イノシシやクマにだって追いかけられて、そこから逃げ切ったこともあるから、持久力だって人並みより上なはず。


…だけど。


あの人影には、なかなか追いつくことができなかった。


普通の人間なら、もうバテたっていいはずなのに、なかなかスピードが落ちない。