妊娠15週が過ぎ、祐香の抗がん剤治療が始まった。


「…」


「悪いもの、居なくなるのかしら。」


「俺らが、信じれば居なくなるって俺は信じてるけど。」


「そうだね。ごめん、またネガティブになっちゃった。」


祐香は、日に日に心が暗くなるようになる。


自分のせいで、赤ちゃんを苦しめていないのか。


自分のせいで、赤ちゃんに悪いものができたらどうしようとか。