ピンポーン 「ただ今、お伺いします。」 忘れろ、忘れろ、忘れろ。 忘れられたじゃない。 「…25。」 「ごめん、東藤くん。25番のお客様のオーダー取ってきてくれる?」 「それは、やっとくから。」 ごめん、東藤くん。 押し付けちゃって申し訳ない気持ちを胸に秘めながら、私は他の仕事に集中することにした。