「祐香。」 ゆっくりだけど、抱き締められる体。 抱き締める駆くんの腕の力は、いつもより少しだけ強くて。 だけど、不思議と嫌じゃなくて。 「やっと、呼んでくれた。」 ああ、気にしていたんだ。 和翔くんは名前呼びだが、駆くんは名字呼びだったこと。 「何度でも、呼ぶね。」