全力で投げたのだろう。


あのボールが顔面に当たっていたらただじゃ済まされなかっただろう。


「次は本当に当てるよ?」


涼がそう言い、もう1つボールを手に取った。


「ごめんなさい!!」


花の声が響き渡っていた。


「体操着を間違えて着てしまって、ごめんなさい!!」


「今回は間違えたってことにしておいてあげる。だけど次はないからね」


未来が冷たい言葉を花へ投げかけた時、ようやく授業開始のチャイムが鳴りはじめて先生が来たのだった。