大きな音が響き渡り、突然の事でクラス全員が絶句していた。


あたしも唖然として涼を見た。


涼は相変わらず優しい表情をしている。


「じゃあ、なんでロッカーから美桜のポーチが出て来た?」


さっきと変わらない口調でそう聞く涼。


「そ……れは……」


花は引きつってしまい、うまくしゃべれなくなっている。


「お前が盗んだからだろ? 美桜のポーチを」


一歩花に近づいてそう言う涼。


涼は逃げようとした花の髪の毛を鷲掴みにして止めた。


花が痛みで悲鳴を上げる。


「美桜はお前に謝れって言ってんだ。聞こえてんだろ?」


「涼、ダメだよ。みんな怖がってんじゃん」


美桜はそう言いながらも楽し気に笑い声を上げている。