教室へ戻るとサクと視線がぶつかった。


あたしは誰にも気が付かれないように小さく頷いた。


サクも頷き返して来る。


どうやらサクの方もうまく行ったようだ。


教室に龍が入ってきて、大股で歩いて机へと向かう。


明らかに不機嫌な顔だ。


あたしはカナにデマを吹き込み、サクは龍にデマを吹き込んだのだ。


今2人の心の中には怒りや疑心暗鬼が渦巻いていることだろう。


これが死者の力になるのだ。


そう思うと、わくわくして仕方がなかった。


今日はお父さんとどれくらいの時間話せるだろうか。


しばらくするとカナが教室へ戻って来た。