「そう。そうよね……」


お母さんはあたしの頭をなでながら小さな声で呟く。


そしてスッと息を吸い込むと、あたしの体をそっと離した。


「こんな事、絶対に言ってはいけないと思ってたけど……」


そこまで言い、言葉を切るお母さん。


何かを迷っているような様子だ。


「なんでも言ってよ」


サクがそう言うと、お母さんはほほ笑んだ。


「ありがとうサク。それならあなたたちに良い事を教えてあげる」


お母さんがそれを教えてくれたのは3時になる5分前のことだった……。