「大丈夫。2人は双子だから引き離したりしないから」


花がそう言った直後、あたしとサクはクラスメートたちに取り押さえられていた。


「離せよ! やめてくれ!!」


抵抗するサクの声が一瞬にして消えて行く。


あたしの悲鳴もガムテープを張られて出せなくなってしまった。


いくら抵抗してみても、クラスメート全員が相手じゃ無理だった。


体の自由を奪われ複数の生徒に担ぎ上げられる。


廊下に出れば他のクラスの生徒たちもいるのに、誰もあたしたちに見向きもしなかった。


まるで悪魔の力がそうしているかのように感じられて、全身が震えた。


『ロッカールーム』へたどり着いた時、あたしたちはようやく床へ下ろされた。


しかし、クラスメートたちが入り口の前に立ちふさがっている。


「2人分の生贄を捧げれば、きっと悪魔もしばらくは出てこないと思うから」


花はそう言い、制服のポケットからお札を取り出した。