花の言葉を聞いた瞬間、あたしとサクは目を見交わせた。


1人、生贄を。


心の中でその言葉を反復した後、花へ視線を戻した。


もしその話が本当なら、今ここで花をあのロッカーに閉じ込めてしまえばいいだけだ。


そう考えニヤリと笑う。


花はバカだ。


こんな場所でそんな話をしたら、自分が餌食になるに決まっているのに。


あたしはまたサクと目を見交わせた。


次の瞬間、双子ならではのコンビネーションで同時に動いていた。


サクが花の後方に回り込んで、背中で両手を固定した。


「それなら花を生贄にすればいいだけだね」


あたしはそう言うと、花の服を掴んで『ロッカールーム』へと向かった。