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それからは仮眠する時間ももったいなく感じられて、あたしとサクは時間ギリギリまでお父さんと一緒にいた。


くだらないテレビの内容だって、家族と一緒なら立派な話題になる。


あたしとサクは暗い旧校舎の前まで来ていた。


「本当は今日でここに来ることも終わりにしたかったよな」


歩きながらサクがそう言った。


「そうだね……」


思い出されるのは放課後の出来事だった。


通行人がいなければ花を殺すことに成功していたかもしれないのに。


花を殺していれば、お母さんもロッカーから解放されていたかもしれなのに。


そう思うと、もったいなくて仕方がなかった。


2人でロッカーの前に立った時、時刻は夜中の2時になっていた。