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見た限りでは秀太の種が一番成長しているようだ。


あたしはそれに満足していた。


1度崩壊した欲望はなかなか制御できない。


けれど、1人だけ違う生徒がいた。


花だ。


花はイジメられていてもただ我慢しているだけで、誰かを罵倒したりしない。


授業だって、いつも通り受けている。


保健室に逃げたり、登校拒否にもなっていない。


花瓶の水を浴びせられた日から花へのイジメはエスカレートしているのに、それでも花に目だった変化はなかった。


以前花に強さを感じた時のことを思い出していた。


このまま花をイジメていてもモヤは集まらないと思い、七つの大罪を探し始めたのだ。


今まで花から灰色のモヤが出て来るのを見たこともなかった。


どうして花は1人だけ違うんだろう。


あたしはイライラとした気持ちで放課後を待ったのだった。